資産運用の種類
一口に資産運用と言っても様々な種類があります。種類については、①資産と②運用方法の両方を考える必要があります。
まずは、①自分がどんな資産運用に向いているのか、下記の金融商品相性診断をやってみてください。
- 相性の良い金融商品はどれ?
- ご自身の性格によって相性のよい金融商品を診断してみましょう!
どうでしたか?これは日本証券業協会のサイトで紹介されている相性診断です。ま、資産と言っても不動産や貴金属、農作物等の現物資産は入っていませんが。。。
Aタイプは積極的に投資をしていくタイプなのでハイリスク・ハイリターンな「株式投資」、Bタイプは慎重に投資をしていくタイプなのでローリスク・ローリターンな「債券投資」、Cタイプはバランスのとれたタイプなので「投資信託投資」と相性が良いですよ~ってなっているんですね。
確かに資産の性質だけを見るとそうかもしれませんが、これは②運用方法をあまり考えずに診断しているように思えます。
運用方法
この運用方法は株式の場合、債券の場合、商品の場合、暗号資産の場合など全ての資産で共通です。それぞれの取引所に上場していて売買が行われている資産であればほぼ同じです。
その運用方法とは長期運用と短期運用です。文字通り、数年、十数年もしくは会社に入社した時から老齢年金をもらうような年齢まで長い期間に渡って運用する方法、または、数カ月、数日もしくは数時間という短い期間で運用する方法の2通りがあります。
しかし、この長期運用と短期運用には、あまり皆さんが考えたことがないかもしれない一つの重要な違いがあります。
それは、長期運用は資産価額が「上がる」ことだけで利益をだすわけですが、短期運用の場合は資産価額が上がることはもちろんのこと、「下がる」ことでも利益をだすことができるということです。
売り(sell、short、bid)と買い(buy、long、ask)
これは長期運用でドルコスト平均法、つまり定時定額方式で長期積立運用すれば、資産価額が下がっている時には、その資産を「安く」買うことができ、資産の量を増やすことができたので結果的に利益がでるということを言っているのではありません。
資産価額が高い時に売って、その後資産価額が低くなった時に買い戻すことで利益を出すことができる取引方法があるのです。株式運用で「空売り」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、現物(spot=スポット)取引ではない先物(future=フューチャー)取引では資産を持っていないのに売ることから始めることができるんです。
「売り」は英語でsellですが、shortというのはこの空売りを指します。ちなみに「bid」は現物取引での中値からスプレッド(取引所手数料)の2分の1を引いた資産価額で売ることを指します。
反対の「買い」は英語でbuyですが、longはshortに対して先物での買いを指します。「ask」はbidの反対で中値からスプレッドの2分の1を足した資産価額で買うことを指します。
買いだけではなくて、売りができれば短期取引の危険性は減少
どんな資産であれ、短期であればその価額は上がったり下がったりします。この上がったり下がったりの幅が大きいものをリスクが高いとかボラティリティが高いと言っています。よって、上がると思って買った資産が短期で半分や3分の1になることがあります。特に株式や仮想通貨はそうですね。
なので短期で「買い」しかできないと、利益を上げる可能性は低くなります。相場が下がったときは、じっとまっておく(塩漬け状態)しかありません。しかし「売り」ができれば価額が下がった時に利益を上げることができるので、短期取引では「買い」と「売り」の両方ができる必要がでてくるわけです。
言い方を変えれば、「買い」と「売り」の両方ができなければ短期取引はあきらめて、長期取引で資産運用を考えた方が良いといえるかもしれません。
短期取引をあきらめたくない、デイトレードをしたいというのであれば、しっかりと空売り(先物取引)の勉強をしたうえで、実践する必要があります。でないと大切な資産を失ってしまうことになります。よく投資は余裕資金でといいますが、これは特に短期取引のことを言っているのですね。
まとめ
初心者の方は、まずは長期取引を考え、良い資産を選びじっくりと運用する(HODL)ことが重要です。資産を一度に買う余裕がなくても、むしろ毎月少額でも定額でコツコツと買っていく(定時定額法=ドルコスト平均法)投資を考えましょう。そして勉強しながら指値や逆指値で売買を行ってみる。取引システムになれるということが重要です。
長期取引しかしないと思っていても取引システムになれることは一番大切なことです。なぜなら、慣れていないといざ現金化するために売ろうと思っても思うように売れないからです。特に売らねばならない時に相場が大暴落する予兆があり今すぐ売らないと大損をしてしまうなんて時に、慣れてないと失敗する可能性が高くなります。
先物取引やレバレッジ取引またオプション取引等様々な上級者向けの取引はその後で、またじっくりと勉強しならが取り組むのが良いと思います。
補足:現物(スポット)取引での2種類の注文方法(初心者の方はとばしてください)
短期取引は先物取引をしないといけないようなので、難しそうだなと思い現物取引だけにしておこうと思った方、現物取引でも短期取引をする場合はちょっと複雑です。
買いの注文方法にも2種類あります。「成行(マーケット=market)」買いと「指値(リミット=limit)」買いです。
成行は買いたいと思った時点の一番買いやすい値段で買う注文方法で、指値はこの値段になったら(今より安いいくらかの値段を想定)その時買う予約をする注文方法です。予約した値段になったら買うことになります。
指値は今はちょっと値段が高いから、もう少し安くなったら買いたいなというときに便利な注文方法ですね。
例えば今Apple株が150ドルだけど、147ドルになったら買おうと指値注文をするということですね。ビットコイン今23,000ドルだけど20,000ドル切ったら買いたいという場合に備えることができます。
また「逆」指値(ストップリミット=stop limit)の買いや「逆」成行(ストップマーケット=stop market)の買いということもできます。逆成行というのは将来、この値段より下がったら売ってしまう損切のやり方です。逆指値(stop limit)は、下記の図の例で説明します。
株式、FX、暗号資産等取引所の取引システムでこれらの操作をすることが可能です。
(海外仮想通貨取引所のビットコイン/USDTの注文画面)
まとめると、資産を買った値段よりも将来これくらい上がったら売りたいと思う場合は「指値」という予約をしておけば、その上がった時までまって「成行」で買わなくてすむ、手間が省けたということになるかもしれません。思惑に反して資産が下がりそうな場合は、買った値段より将来これくらい下がったら売ってしまおう(損切しよう)と「逆成行」という予約をすればよいでしょう。
例えば150ドルで買ったアップル株、170ドルで売る指値予約をし、130ドルで売る逆成行予約をする(①)などです。また、同額で買ったアップル株を130ドルで売る逆指値予約をし、170ドルで売る指値予約をする(②)などというように、相場がどちらに動くかを考えて違う方法で注文することも考えられますね。
(注:ここでの英語からの日本語翻訳は私自身の解釈で説明しているので一般的な表現ではないかもしれません。)
130ドルの時の①と②の違いですが、①(stop market sell)の場合は130ドルになるとmarket sell(成行売り)注文が発動し、130ドルかそれ以下(129,128ドルなど)になれば最適な値段(130ドルかそれにできる限り近い値段)で自動的に売られます。しかし、②(stop limit sell)の場合は130ドルになるとlimit sell(指値売り)注文が発動するので、その後130ドルかそれ以上(131,132ドルなど)にならないと売られません。
ここで確定する利益(利食)と、相場が思惑が外れて下がってしまった場合の損切も確認してください。
①の場合、相場は最初上がっていたため利食いができました。もし170ドルに到達せず、130円までいっても予約した成行売りが行われ損切できたとなります。
②の場合、相場は最初下がって130ドルを切りましたが、130ドルを突き抜けて下がったため指値売りが行われず、その後の相場上昇で170ドルになった時に利食いができたとなりました。
ということで、①、②のどちらの戦略をとるかは、相場が上がってさがるのか、さがって上がるのかを予想して決められるということになります。
これは1つの例ですが、この売買において成行と指値、逆成行、逆指値という複数の注文方法があることによって、相場の動きによって複数の攻略方法を考えることができます。
成行 | 指値 | 逆成行 | 逆指値 | |
売り | A | B | C | D |
買い | a | b | c | d |
取引をやってみたい方
興味はあるけど一人で取引するのは怖いなという方のために資産運用基礎講座、中級講座を行っています。ただし資産は「暗号資産」です。最初にお話ししたように、資産はどれでも基本の取引は同じです。相場で資産を売り買いするということですので、暗号資産取引に慣れれば、株式、FXでもだいたい同じです。
基礎講座では、暗号資産の基本的な解説から始め、日本の暗号資産取引所(GMOコイン、DMM bitcoin)の口座開設をしてビットコインまたはイーサリアム等の購入までを対面で行っています。中級講座では、基礎講座よりも詳しい暗号資産の解説(主にどういう方法で情報をとるかなど)とウォレットの準備、そして海外の暗号資産取引所(Binance、Kucoin、bybit、Gate.io、Bitrueなどのどれか)の口座開設をし、日本の取引所で扱っていない暗号資産の取得をします。
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