0.仮想通貨とは
仮想通貨という言葉に対して法定通貨があります。これは円やドルやユーロです。法定通貨は国や政府が一定まで保証したり管理されているものですが、仮想通貨はそういったことがない非中央集権通貨(Decentralized currency)と呼ばれています。仮想通貨はどこかの国や政府が管理しているものではなく、インターネット上で繋がっているビットコインを所有している人が全員で管理しているようなイメージがわかりやすいかもしれません。法定通貨のような物理的な硬貨や紙幣はありません。
ビットコイン等仮想通貨は「分散型台帳技術」の一つであるブロックチェーン技術を利用して管理されています。この「分散型」台帳は、「中央集権型」台帳ではないので、どこかの国、政府、会社が管理しているわけではないですが、不正を働くため(盗んだり、残高を高くしたりなど)に改ざんすれば即座にばれてしまうシステムとなっているため、安心、安全と考えられています。反面誰かが管理していないために、仮想通貨を保管しているウォレットのパスワードなどを紛失してしまうと誰も復旧することができなくなるので注意が必要です。
仮想通貨は株式などのように常に価額が変動しており、取引所で24時間365日取引が可能です。株式もその会社の業績等を考えて運用しますが、同様にその仮想通貨がどういった役割を担っているのかを調べて選択することが重要です。その仮想通貨数万種類ありますが、いくつか例をだしてみましょう。
例えばメタバースでNFTがこれからどんどんと世の中に広がってきそうだとなれば、メタバースの一つである「The Sandbox」内で使用されている仮想通貨「SAND」を入手してみようとなるわけです。「Decentraland」であれば「Mana(マナ)」、「AxieInfinity」であれば「AXS(アクシーインフィニティ)」等。
国際送金をできる限り安く、早くというコンセプトを持つ仮想通貨は素晴らしい、これからはそういった通貨がますます使用されるようになるなと考えれば、「XRP(リップル)」や「XLM(ステラルーメン)を運用するのが良いでしょう。
より簡単で早い決済方法を取り入れることが様々な分野で進んでいくだろうと考えればスマートコントラクトで代表的な「ETH(イーサリアム)」に投資するのもよいでしょう。イーサリアムよりも優れた(より安く早く利用できるという面で)スマートコントラクトである「AVAX(アバランチ)」や「SOL(ソラナ)」、「Polygon(マティック)」が良いかもしれませんね。
ものとものをつなぐIOTで利用価値が高いもので「IOTA(エムアイオタ)」はどうでしょうか。
このように仮想通貨は様々な役割を持つ技術が裏付けとなっているものが多いので、その裏付けとなる技術、テクノロジーに投資するという考え方が大切です。
仮想通貨は株式、投資信託、国債社債が証券取引所で売買できるように、仮想通貨取引所で売買することが可能です。これからの時代は銀行や郵便局で取引できる預貯金に加えて「動産」としての資産運用の一つとして考えることが大切です。これらに加え土地や建物などの不動産そして、金や銀などの現物資産を加えた資産運用を考えましょう。
1.仮想通貨を選ぶ
まず最初に資産として運用をする仮想通貨をどれにするかを考えます。そのために様々な情報を入手することが重要ですが、基本となるのは「CoinMarketCap」というウェブサイトです。日本語版がありますのでそちらを参考にしてください。このコインマーケットキャップで運用しようとしている通貨を検索します。まずは取扱高上位の通貨をいくつか調べてみましょう。
具体的には、その変動する価格、取引高等とその通貨がどういった背景でできたものかということを調べます。その通貨に関連するニュースものっていますのでそちらもチェックしてください。またYoutubeやTwitterなどのSNSもチェックします。
以上様々な情報を知ってどの通貨で取引するかを決定します。迷った場合は1位のビットコイン、2位のイーサリアムが無難かもしれません。(判断は自己責任でお願いします)
2.取引所を選ぶ
時価総額上位のビットコイン(1位)やイーサリアム(2位)、リップルであればだいたいどこの「日本」の仮想通貨取引所でも扱っていますが、上位であってもその他の通貨は一部を除いて「海外」の仮想通貨取引所でしか取引できません。よって日本の取引所と海外の取引所の両方を視野に入れて取引所を選びます。
取引所は大切な資産を取引したり預けておくところなので安全で容易に操作できるところと考えると、海外取引所では取引高世界1位のBinance(バイナンス)が無難かもしれません。日本の取引所ではGMOコイン、DMMbitcoinでしょうか。
ネット検索してもなかなか出てきませんが、「スプレッド」という実質手数料が低いのはこの2社です。取引のしやすさ、送付(送金)スピードの速さを比較するとGMO一択ですが、DMMは現在口座開設するだけで2000円をもらえることとGMOが使えないときなどの時に備え開設しておくのが良いでしょう。
3.取引所での仮想通貨の入手方法
最初(所有している仮想通貨が少ない場合)は、日本円を仮想通貨に変えるということになりますが、具体的には①銀行の円口座から「日本」の仮想通貨取引所の円口座に入金して仮想通貨を買ったり、②クレジットカードを利用して直接仮想通貨を買います。
①は日本の取引所、②は海外の取引所での代表的な方法かと思いますが、②は注意が必要です。「手数料が高い」からです。例えばビットコインを1000円分GMO(①)で入手した金額(結果として口座に残っているビットコインの円価格)と同じくビットコインを1000円分Binanceでクレジットカードを使って(②)入手した金額を比較してみると②の方が「少なく」なってしまっていることがわかります。
ではどうやってお得に「海外」の取引所でお目当ての仮想通貨を入手するかというと、日本の取引所でリップルやステラなどの送金手数料が安い通貨(出金に手数料がかからない場合どの通貨でもよいですが)を入手して、海外の取引所に送付し、そしてそこでその通貨をお目当ての通貨に変換します。
4.ウォレットを選ぶ
通貨を入手したということは、その取引所の中に自分の通貨があるということになります。この場合取引所がハッキングされたり、海外の取引所であれば突然日本では取り扱いできなくなってしまうことがあるかもしれません。そのようなことに備えるために、自分自身の仮想通貨「Wallet(ウォレット)」をもっておくことが大切です。
ウォレットにはホットウォレットとコールドウォレット2種類があります。ホットウォレットはインターネット上のものでスマホアプリやPCで接続します。コールドウォレットにはUSBメモリのような物理的なハードウェアウォレットと「紙」に印刷するペーパーウォレットがあります。
ホットウォレットではBinance系の「TrustWallet」、ビットコイン、イーサリアム等だけでそれほど色々な通貨を所有しないのであれば、日本の会社が運営しているGincoなどが無難でしょうか。
5.運用の方法を学ぶ
仮想通貨の取引は株式や投資信託といった従来の資産運用と似た考え方をします。それは①短期売買と長期運用そして②資産分散、③時間分散です。
短期売買とはデイトレーダーという言葉がありますが、毎日一定の時間取引のチャートを見ながら上がったら売って、下がったら買ったり、将来の価額を考えて「先物取引」をしたりします。時間とお金の余裕がある方向けです。長期運用は将来的に価額が上昇すると予想した通貨を少なくとも1年以上可能であれば3年程度は円や他の通貨に変えることなく運用を続ける方法です。本業があってそちらが忙しい方向けです。
資産分散は複数の通貨に分けて投資をするということです。1つの通貨が暴落してしまった場合でも他の通貨があればその損失を補ってくれるかもしれないということです。もっとも仮想通貨だけではなく他の資産に分散することも重要となります。
時間分散というのはこれは長期運用とも関連しますが、例えばビットコインを長期運用しようと考えたときに毎月または毎日ビットコインを買うということです。これは「ドルコスト平均法」とも呼ばれていますが、「円」で買うことにより、ビットコインが安い時にはビットコインをたくさん入手し、高い時には少なく入手することになり、結果としてビットコインの平均購入単価が安くてすむ可能性が高くなります。
6.大切なこと
それは、パスワード等の保管です。特に自分自身のウォレットを入手して通貨をそこに入れた場合、ウォレットの秘密鍵、ニューモニックフレーズ等のいわゆるパスワードを絶対に無くさないことです。これが仮想通貨資産運用での最重要項目です。パスワードを紛失したら終わりです。もう一度いいます。終わりです。誰もなんとかしてくれません。
必ず「紙」等物理的に書き出したものを無くならない、盗まれない、見られないところに保管してください。もしもの場合に備え、遺言書等にも保管場所を書いておく必要があるかもしれません。パスワードがあればご家族がその資産を入手することが可能になります。
まとめ
ビットコインに代表される仮想通貨はもともとは崇高な理念のもとに出来上がったとものだといわれています。ビットコインはDecentralized(非中央集権型の)通貨で、政府にも国にも一定の企業にもコントロールされることのない真の意味での独立した民衆のための通貨です。
現在ではビットコインは法定通貨になっている国があり、ビットコイン等で決済できるサービス、商品も増えてきています。一説によるとアメリカの中小企業の経営者の4割程度は従業員の給料をビットコインで支払っても構わないらしいですね。ビットコイン、イーサリアムを担保に現金を貸す金融機関もあります。
またイーサリアム以降の通貨はそのスマートコントラクトという技術が将来的にもあらゆるところに普及していく重要なものであること、メタバース、NFT等、Web3.0といったこれから伸びていく分野の鍵となるものが仮想通貨であるということを考えたときに、もはや仮想通貨を抜きにした資産運用はあり得ないのではないでしょうか。
以上を踏まえ、安全で安心な仮想通貨取引に取り組んでください。もしわからないことがあればこのガイドブックに書いてある言葉をGoogle等で検索していただければ詳しい情報がすぐに入手できますのでご自身でよく調べてみてください。
自分ひとりではできそうにないと思われた方には「仮想通貨基礎講座」と「応用講座」を用意しています。
仮想通貨基礎講座では、通貨の選び方と「日本」の取引所の開設とその取引ができるまでフォローさせていただきます。応用講座では、「海外」の取引所を開設し、取引できるまでフォローさせていただきます。ただし「先物取引(将来を予想し 売りから入って買い戻しをする等)」はしませんのでご注意を。こちらはリスクがかなり高いため上級講座となります。