金価格
有事の金って古いかもですが、現在のような紛争、戦争が起来ているときは、金の価格が上昇しやすいと言われています。
以下田中貴金属工業のウェブサイトより月ベースの金の価格です。
左が1オンスあたりドルでいくらか、右が1グラムあたり円でいくらかという表です。
表の下の方から上へ価格を見ていくと2022年1月平均で、左ドルオンスは2158.01÷1818.77×100=118%、右円グラムは10428÷6755×100=154%と上昇しています。
円グラムの方が上昇率が高いのは「円安」の影響です。
ちなみに本日4月19日の円グラムは1グラム12991円で3月月平均よりも12991-10428=2563円高くなっています。戦争の影響でしょうか。。。。
金投資方法
そんな現状で現在金の運用を始めたり運用比率を高めたりされる方が増えていると思いますが、今まで金投資をしたことがない人はどうしたらよいのでしょうか?
金の投資といっても様々ありますが、代表的なものをあげてみます。
種類 | 投資・購入方法 | 取扱会社の例 | |
① | 現物(積立含む) | 貴金属メーカー(地金商) | 三菱マテリアル、石福金属興業 |
② | 投資信託、ETF | 証券取引業者 | 野村証券、SBI証券 |
③ | 商品先物 | 商品先物取引業者 | 北辰物産、岡地 |
④ | 暗号資産 | 暗号資産取引所 | GMOコイン、楽天ウォレット |
①現物
金地金
こちら田中貴金属工業さんのウェブサイトからですが、「金地金」という現物を購入する方法です。
1枚5gから1kgまで9種類あるとのことですが、どれを選べばよいのか?
税金面で考えてみましょう。以下国税庁のウェブサイトからです。
(1) 所有期間が5年以内のもの(総合課税の短期譲渡所得)
・譲渡価額-(取得費+譲渡費用)=金地金の譲渡益
・{[金地金の譲渡益]+[その年の金地金以外の総合課税の譲渡益]}-譲渡所得の特別控除50万円=課税される譲渡所得の金額
(2) 所有期間が5年を超えるもの(総合課税の長期譲渡所得)
・譲渡価額-(取得費+譲渡費用)=金地金の譲渡益
・{[金地金の譲渡益]+[その年の金地金以外の総合課税の譲渡益]}-譲渡所得の特別控除50万円=譲渡所得の金額
・(譲渡所得の金額)× 1/2 = 課税される譲渡所得の金額
(注) 譲渡所得の特別控除の額は、その年の金地金の譲渡益とそれ以外の総合課税の譲渡益の合計額に対して50万円です。これらの譲渡益の合計額が50万円以下のときはその金額までしか控除できません。
また、(1)と(2)の両方の譲渡益がある場合には、特別控除額は両方合せて50万円が限度で、(1)の譲渡益から先に控除します。
金の価格が買ったときよりも上がって、売った場合には、買うときにかかった金額を引いてから税金かけますよということですね。
計算方法は買ってから5年以内かそれを超えるかで変わってきますが、金以外で儲けたものも足して特別控除を50万円引いて所得税がかかります。
この所得税を考えていくら売却しようかと調整することを考えるとお金があるからといって500グラム、1キロなど大きなものを買うのはいかがなものかなと。
ただし、手数料面も重要です。500グラム以上は別途手数料が無料なのです。
金・プラチナ地金の売買別途手数料(税込)(田中貴金属工業サイトより)
・購入(小売)の場合
金地金の種類 地金1本当たりの別途手数料 500g・1kg 不要 100g・200g・300g 16,500円 50g 8,800円 5g・10g・20g 4,400円 ・売却(買取)の場合
1件当たりの合計重量 買取1件当たりの別途手数料 500g以上 不要 100g以上~500g未満 16,500円 50g以上~100g未満 8,800円 20g以上~50g未満 4,400円 20g未満 2,200円
これらのことを良く考えて購入の検討をされた方が良いかなと思います。
田中貴金属工業以外にも三菱マテリアルも同様です。
注意:売却されるときは不便かもしれませんが、町の買取屋さんよりも田中貴金属工業さん等の方が高値で買い取ってもらえること多いようです。
参考:田中貴金属グループ リ・タナカ リサイクル価格(中古)
18金のリサイクル(買取)価格が19日時点で9063円/1グラムとなっています。指輪、ネックレス等アクセサリはその重さを図って、9063円をかけて計算された金額を現金で買い取ってもらえます。
例えば指輪が5グラムあったとすると、9063円×5グラム≒45000円ですね。
金貨
こちらも田中貴金属工業さんのサイトから引用です。
「金貨」はこちら以外にウィーン金貨ハーモニーというのもあります。
地金同様に「現物を保管」する方法です。
純金積立
一度に金地金や金貨を購入するのではなくて、毎月3000円づつなど積立をする純金積立(田中貴金属工業)があります。
こちらは定時定額購入方式=ドルコスト平均法ということで、毎月定額の「円」で購入を続けるために、金の価格が高いときには少し購入し、価格が安い時には多く購入するという合理的な方法であることと、比較的低資金から始めることがあり人気です。
そして引き出しは現物の金地金や金貨ですることができます。
②金の投資信託、ETF
ここから以下は現物の金地金や金貨で引き出すことはできなく、現金(円)での決済となるものです。
まず投資信託やETF(上場投資信託)で運用対象が「金」のものがあります。
例えばピクテゴール、iシェアーズゴールドインデックスファンドなどは新NISAの成長投資枠を利用した投資が可能です。
③金の商品先物
「商品」=コモディティともいいますが、現物を買うわけではなくて「先物」という取引をする会社で取引をします。
金に限らず小豆やトウモロコシなどの穀物やガソリン、原油なども商品ですが、実際に現物を購入するのではなくて、価格が上がったり下がったりすることによって生じる利益を狙うものです。
②の投資信託、ETFを扱う証券会社が商品先物を取り扱っている場合もあります。
④金の暗号資産
「現物の金」を裏付けとした金の暗号資産がいくつかあります。
例えば
テザーゴールド XAUt
パックスゴールド PAXG
上記2銘柄ともドルのステーブルコイン*を発行している会社が発行する仮想通貨です。
こちらを利用することも良いかもですが、現在これらは上記楽天ウォレットやGMOコインなど「日本」の暗号資産取引所では取り扱いをしていないので、バイビット、クーコイン、ゲートアイオーなど「海外」の暗号通貨取引所で取引するしかないです。
但し、金融庁管轄下ではないため完全に「自己責任」で行わなければなりません。海外取引所利用者が罰せられることはありませんが、金融庁自体はそれら海外取引所に勧誘しないようにとしています。
ステーブルコイン*
法定通貨(主にドル)1単位の価格と同価格で取引される仮想通貨で、ドルのステーブルコインのUSDT1単位の価格は1ドルです。(常に1ドルになるように調整されています)
テザー社(Tether)が発行するそのUSDTの流通量は現在約1100億ドル、円換算で16兆円を超えています。
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